「お前はハゲる」と言われ続けた子どものころの僕

僕は子どものころに、あることでクラスメイトの男子にバカにされ続けていました。それは、「お前は将来、絶対ハゲる」ということです。
頭頂部はフサフサです。しかし、両サイドが薄く、地肌が見えている状態でした。子どもって、悪口を言うのが趣味みたいなものです。両サイドの髪の毛が薄かった僕はからかわれるターゲットとなってしまいました。

そのことで、僕は不安にかられました。本当に将来ハゲてしまうじゃないかと……。そこで、髪の毛に良いとされていることを子どもながらに試してみることにしました。わかめが髪の毛を増やすかもしれないと聞けば、親に頼んでわかめを使った料理を毎日作ってもらい、指で頭皮をマッサージをするのが良いと聞けば、毎晩欠かさず行っていました。しかし、効果は現れません。髪の毛は薄いままだったのです。いつしか、このままハゲていく自分を受け入れていこうと思うようになりました。

時は経ち、社会人となった僕はある女性とお付き合いするようになりました。彼女は美容師でした。なんとなく彼女に、薄毛について相談してみました。
すると、彼女はきっぱりと「あなたはハゲない」と断言してくれたのです。
彼女が指摘ししたのは、僕の頭頂部の髪の毛の多さでした。両サイドが薄いのが、そのままハゲるという理由にはならないようです。それよりも頭頂部の量が大事で、そこが薄い人が将来ハゲていくと言っていました。何人もの男の人の髪の毛をカットしてきた彼女の言葉です。髪の毛がなくなった未来の自分が消えていなくなった瞬間でした。

むしろ、ハゲていったのは子どものころに僕を散々バカにし続けていたクラスメイトの方でした。
社会人になってから10年ぐらい経ったころに同窓会があったのです。そこには明らかにハゲている人がいて、最初は誰だかわかりませんでした。よくよく聞いてみると、「お前は将来ハゲる」とバカにしていた人でした。
また、別のクラスメイトは帽子を深々と被っていました。ひょんなことからその帽子が脱げたのですが、彼の頭頂部もずいぶんと寂しくなっていたものです。

そのふたりともずいぶん老けた印象を受けました。天罰だと思いました。人を傷つけた報いを受けたんだと思いました。でも、僕は「ハゲてるじゃん!」なんてバカにはしません。そのことでどんなに嫌な気分になるかは、実際に体験してわかっていましたから。心の中ではくすくす笑っていましたが……。

僕は30歳を過ぎましたが、今でもハゲていません。むしろ毛量は子どものころから変わっていない印象です。相変わらず両サイドは地肌が見えていますが、頭頂部はフサフサです。私に神様が与えてくれた髪の毛のありがたみを感じながら、これからも生きていきます。

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